わざわざ「有利子」と枕詞を付けたのには大きな理由があります。何を隠そう、我が家にはまだ「無利子」奨学金が残っているのです。
現時点では「無利子」奨学金については繰上返済は検討していません。その理由はこの記事の最後におまけとして記載しています。
最近読書を楽しむ中で、奨学金が発覚したときのことや奨学金を持つ子供との結婚についてのエピソードがあり考えさせられたので「奨学金は金利が低いから繰上返済しない方がいい」と考えも散見する中、私が繰上返済に踏み切った理由を整理してみようと思います。
ちなみに、考えるきっかけを与えてくれた本はコチラ。
|
姉妹・母親・祖母の3世代の目線からお金に関するエピソードが綴られています。
人間関係にお金が関わってくる部分がリアルで、小説形式なので読みやすいです。
唯一リアリティが薄いなあと思った点は、奨学金の金利が3%だったこと。代表的な日本学生支援機構の奨学金は上限は3%だったけれど、実際の金利は固定金利だとしても1%前後、変動だともっと低かった印象なので…。銀行の金利とかは今に即していただけに違和感がありました…。
奨学金に対し「繰上返済」が最適解となるか否かはひとりひとりの状況により異なってくることと思います。
(我が家も有利子は繰上、無利子は繰上せずという判断ですので。)
ここから記載する内容はあくまでワンケースに過ぎないことをご承知おき下さい。
とにかく1円でも「利息」を減らしたかった
家計管理を行う中で、一番嫌いな支出が「利息」と「手数料」でした。
有利子奨学金は我が家において「利息を生み出す唯一の負債」であったため白羽の矢が立ちました。
繰上返済は早ければ早いほど、利息軽減の効果を発揮します。
ワタシの場合は繰上返済によって、\383,954の利息が支払いを免れました。いやほんと馬鹿にできません…。
期間保証を選択していた為、期間短縮に伴う保証料の返戻があった
親族との関係が希薄な家庭だったこともあり、保証人を立てず保証会社を利用しました。
保証料はあらかじめ奨学金給付時に天引きされる仕組みなので、繰上返済により保証期間が短縮されたときは保証料が返戻されることがあります。
(確実ではなく、「返戻されることがある」と表現が曖昧な部分にはいささか疑問を感じますが。)
ワタシは貸与額が高額だったため、保証料も比較的高額でした。
その分と言っては何ですが、返戻金も多かった。これは純粋に嬉しかった。
返済期間を20年→約5年に短縮したことで、\185,133の返戻金が得られました。
「返済に勝る運用はない」という考えに則った
これは資産運用に関する書籍に記載されていた考え方ですが、尤もだなあと思ったんです。
|
投資の利益は不確実ですが、繰上返済によるメリットは確実に享受できる。
奨学金には住宅ローンと異なり所得税控除もなく、わざわざ返済をゆっくり行うメリットがないかなと。
もちろん、運用利益の方が大きいからと返済せず運用に回す人もいるでしょう。
ワタシの場合は、並行して少額で投資を始めました。そして、利益を出すことの難しさも感じたのです。まあ要するにセンスがなかっただけなんですけど。
私にとっては繰上返済の方が確実に利益が得られた、というだけの話ですね。
ライフプランを考える上で負担を減らしたかった
利息の軽減、保証料の返戻という確実な金銭的利益のほかに「ライフプランを立てやすくなる」という点にメリットを感じたのも繰上返済に踏み切った理由のひとつ。
もし、子宝に恵まれた時に中学生くらいまで親の奨学金で月4万程度の支出があるのは、負担に感じる瞬間があるはずだと考えたのです。たとえ、それが自分が納得して借りた奨学金であったとしても。なぜって?悠々自適なDINKsであった時でさえ負担を感じる瞬間があったからですよ。金銭的に余裕があり、純粋に奨学金に対して感謝できる間に返済を終えたかったのです。
最後に
上記4つの理由をもって、私は有利子奨学金の繰上返済を行いました。
ただ、ワタシの最大のラッキーは、奨学金に理解のある家族ができたことです。
学生のころから一緒だったオットは奨学金で生活していたワタシに理解を示してくれたし、オット自身も奨学金を多少なりとも借りていたからか、結婚に際してオットの家族にも奨学金に対し苦言を呈されることは一度もありませんでした。(私の方がかなり高額にも関わらず、金額や返済状況を聞かれることもなかったかな。)
奨学金を借りずに勉学に励めたら、就職後の負担が少ないのは事実です。
でも、奨学金を借りないために勉学や就職の幅を狭めてしまうのは違うかなと。
しっかり向き合えば、利用すれば、奨学金は悪じゃないよ、と明言したいです。
奨学金を借りたおかげで、わたしは興味のある分野について学ぶことができ、大学で学ばなければ受験資格が得られなかった国家資格を得られました。
国家資格があることで、その仕事をするときには手当がつくこともあります。
奨学金は、子供のワタシが将来のワタシに向けて行った最大の投資だったなと思います。
あ、あと完済した身から言わせてもらうと、利息の支払いがない生活、奨学金の負担が減った生活はむちゃくちゃ快適です。ほんと最高。繰り上げて返済しただけで貸与額が減ったわけではないのに、貯蓄のスピードもかなり上がったように感じます。(貸与額は変わりないけど利息や保証料は減ったからなのかもしれない)
≪おまけ≫無利子奨学金を繰上返済しない4つの理由
その理由は以下の4つ。
- 少額であること(既に生活防衛資金で一括返済が可能な残高)
- 無利子であり、同額定期預金を行った方が経済的メリットが大きいこと
- 保証人を務める親族が負担を感じていないこと
- (考えたくはないが)本人が亡くなったときに返還が免除されること
もし繰上返済を行うとしたら「保証人に精神的負担が生じた場合」でしょう。その時は潔く一括返済を行う心づもりです。
そうでなければ繰上返済しない方がメリットが大きいと判断しており、地道に返済を続けています。
繰上返済をするもしないも人それぞれでいいと思うのです。
一人一人が自分の状況に即して、考えて、納得いく選択することが大切かと。
あ、滞ることだけはだめですよ。
0 件のコメント:
コメントを投稿