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既発債について勉強してみたキロク


我が家はリスクを分散しつつ資産を増やすことを目的として、資産の一部を「債券」という形で保有しています。

今までは新発債しか購入したことがなかったのですが、既発債はどうなんだろう?どれだけ違うの?購入するメリットはあるの?と気になりだしたので勉強してみました。


個人が今後の投資の選択肢のひとつとして勉強したキロクです。
誰かに投資を広めたり、促すことを目的としたものではないのでまとまっておりませんが悪しからず。
また、間違いに気付いた方がいらっしゃったら優しくご指摘いただけると嬉しいです…。


既発債とは?

「既発債」という言葉の通り「売されている券」のことです。


新発債との違いはこんな感じ。楽天証券より。
比較項目既発債新発債
購入価格市場実勢を反映し変動
パー(100%)、オーバーパー(100%超)、アンダーパー(100%未満)の場合がある
固定
利回り購入単価や償還までの残存年数などにより変動固定
経過利子あり(利付き債券の場合)なし


新発債にはなく既発債にあるものとして「経過利子」があげられます。



経過利子とは?

利付債を売買する際、受渡日がその債券の利払日と異なる場合に、経過日数に応じて買い手から売り手に利息相当分(経過利子)を支払うこと。

今回検討している買付の場合は「前回利払日の翌日から受渡日までの日数(経過日数)について、日割りで計算された利息相当分を支払う」必要がでてきます。

買付時に経過利子を支払うことによって、次回利払い日は利息を満額受け取ることができます。


注意点として「既発債の経過利子からは、源泉税相当額は控除されない」ことがあげられます。利払日の利子には、20%(2013年1月1日~2037年12月31日は所得税額に対して2.1%の復興特別所得税が加算され20.315%)の源泉分離課税が適用されます。このため、次回の利払日に近い日に債券を買付されますと、買付時に支払う経過利子が次回に受け取る利金(税引後)よりも大きくなることがあります



購入価格と利回り

  • 額面より低い値段で取引されている債券(アンダーパー)→償還時には額面で償還されるので、償還差益を狙うチャンスになる。
  • 額面より高い値段で取引されている債券(オーバーパー)→債券の発行時よりも金利が下がったことにより価格が上昇しているためで、受け取る利息はその時点で新たに発行した債券(新発債)よりも高い利息を受け取ることが可能。





実際に既発債の購入を検討してみる

SBI証券で購入できる既発債をみてみました。


債券の概要




利率2.50%(税引前)は現状と比較するとかなり高いですね。
その分、購入価格が上がっており(オーバーパー)、利率だけをみて購入すると満期償還した場合に償還差損を生じてしまいます。

「劣後特約付」がついており、社債の中でも「元本と利息の支払いの順位が低い社債」になるので利率は普通社債に比べて高くなっているようです。
ただ、弁済順位が最も低いのは株式なので、株式と比べるとローリスクといえるのかな。







購入にかかる費用


最小購入単位の100万円で検討してみました。

次の利払い日が8/9なので、2/10(前回利払い日翌日)~5/25(受渡予定日)までの106日分の利子を「経過利子」として支払う必要があります。
100万円(購入金額)× 2.50%(利率) × 106日/365日 = 7260円
上記より7260円の経過利子が発生します。


それを踏まえると、概算受渡金額は
単価(100円あたりの金額)100.82 × 購入金額 100万円 + 経過利子 7260円 = 101万5460円
になります。



満期償還までに得られる利子

2022年2月9日が償還日の債券なので「2020年8月9日」「2021年2月9日」「2021年8月9日」「2022年2月9日」の合計4回・の利子が得られます。

利率は2.5%を年に2回に分割して支払われるので

100万円(購入価格) × 2.5%/2(利率/年2回) × 4(回分)= 5万円

実際には税金が20.315%かかってきますが、それについては後述します。




満期償還時の返還額

購入額ではなく、額面である点に注意が必要です。すなわち、100万円になります。



利回りは?

利回り(税引前)2.004%と記載されているが本当なの?ということで調べてみました。


まずは利回りの計算式に当てはめてみます。

利回り = {利率 + (額面単価-購入単価)/ 残存年数} / 購入単価 × 100
    = {2.5 + (100-100.82)/1.7}/ 100.82 × 100
    = 2.001%

若干ずれてるけど誤差の範囲内…?残存年数を何桁計算に入れるかの違いかな。

オーバーパーを考慮しても2%の利回りは得られそうですね。

ただ、ここではオーバーパーは考慮されても経過利子や税金は考慮されていないので、実際の利回りを考えてみました。

利子として5万円(税引前)が得られて、
償還差損が8200円、
経過利子が7260円発生します。


利子・分配金、償還損益は損益通算が可能なので、
5万円(利子) - 8200円(償還差損)= 4万1800円
に対して20.315%の税金が発生し、税引後で3万3308円です。
ここから支払った経過利子7260円をマイナスして、

トータルで2万6048円程度の利益が得られる、ということになるんじゃないでしょうか…!(あってるか不安)


そうすると実質利回りは約1.53%かな?



うーん。
難しいですね。



定期預金に預けるよりは明らかに利回りはいいし、
残存期間も1.7年と長くないのでそこまでハイリスクではないですが、



わたしはこの債券買いません。笑



というのも、すでに別のソフトバンクグループの債券を保有してるんですよね。


このご時世なので倒産のリスクを考えた時にもし社債を追加購入するなら別の会社のものがいいなあと考えています。



ただ、今回のように時間があるタイミングで、気になっていることを調べられてよかったなあと思います。


商品ページに記載されている「利回り」を単純に信じてはいけない、ということが分かったので。


外国債だとまた為替が絡んできたりして難しそうなので、それはまた縁があったときにでも。


予算内のいい既発債に出会えたときは購入したいなあ。

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