交通費は会社負担だし、住むのは田舎だから生活費も安く済む。
一見お得に思えるけれど、実際そう感じることはなかった。
その理由をお話ししようと思います。
長距離通勤って本当にお得なの?
通勤手当は月10万円まで非課税
収入における通勤手当の扱いについて。これはよく言われていますね。ただ、通勤手当をいくらまで支給してくれるかは会社により異なりますので、就業規則などでご確認ください。
(わたしの勤めていた会社は「非課税上限額まで支給」と記載されており、事前に口頭で上司に確認もとっておりましたが、それでも直前に揉めました。)
あくまで月10万円まで非課税、というのは税金を考える上でのこと。
会社で払う税金についてはわたしは無知なので、、勤務者自身にかかわる税金のお話を。
非課税→所得税、住民税がかからない。
通勤手当には税金がかからないのであれば、お得に思えますよね。
けれど、、
標準報酬月額の算定には通勤手当も含まれる
ハイ。これです。私の落とし穴はこれでした。標準報酬月額とは、社会保険料や厚生年金の金額算定のもとになるもの。
毎年4~6月の給与を用いて算定し、9月から翌年8月まで適応されます(定時決定)。
50等級に分かれているのですが、定時決定された給与と実際の給与の差が2等級以上ある状態が3カ月以上継続すると随時改定が行われるのです。(これは昇給・減給いずれにおいてもです)
給与がいくら変動すると等級が変わるか、というのは自身の給与によって異なります。気になる方は参考に、こちらをご覧ください。
わたしは交通費が引っ越しにより+8万円/月になりました。しかも、そのタイミングで昇格して月の給与が4万円昇給することになったのです。
計12万円/月の増額は、もちろん随時改定に該当しました。
その結果、昇給した金額はほとんど税法上の控除で消え、手取りは昇給前とほとんど変わらないという結果になってしまいました。
厚生年金は将来年金として自分のもとに戻ってくる可能性がありますが、社会保険料は支払う金額が増えても恩恵はまったく増えません。
ただ、傷病手当、産休育休、失業手当などの金額は通勤手当も含む給与をもとに算定されますので必ずしも損とは言えないのですが、そもそも長距離通勤をしていて産休育休をとるのも難しいことを考えると、やはり得だとは思えませんでした。
まとめ
田舎に住んで、都会で働く。田舎に住みながら都会の娯楽に触れることができるし、
友人にも簡単に頻繁に会うことが可能です。
大変だったけれど、頑張って働いてよかったと思っていますし、
現在は退職してよかったとも思っています。
代償はまったく無いわけではありません。
社会保険料や厚生年金の増額、1日のうち通勤が占める時間の使い方など考慮したうえでご自身で判断していただければいいかなと思います。
わたしのように「通勤手当は非課税だから」と安易に長距離通勤を選ぶことのないように。
結婚に伴う通勤困難であれば、退職時に失業保険の給付制限もないので、その点も考慮して考えてみるとよいですね。
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